サブプライムの影響
■いまさらですが、サブプライム問題について自分なりの考えを整理してみました。今回の問題は、結局欧米の非製造業(金融業)にショックを与えたものだと認識しています。そして、今後、欧米の製造業、またはアジア・中東の非製造業にどの程度影響を与えるかといったところが重要になるのでしょう(下図参照)

■まず、アジア・中東への波及ですが、どうやらこちら方面への影響はほとんどないようです。それは、アジア株の堅調さやオイル等商品市況の上昇がそれを物語っているのでしょう。多分、アジアの金融業もアメリカの証券化商品をたらふく買っていたと思われますが、結局時価評価しなければ、信用収縮も何も起こりようないのでしょう。 今後、実際に証券化商品のデフォルトが頻発すれば流石に大丈夫などとは言っていられないでしょうが、今のところ、欧米中央銀行の潤沢な資金供給によって、その危機は起こらないでしょうから、アジア・中東への波及は当面ないものと考えています。
■次に、欧米製造業への波及ですが、こちらは影響は大なり小なり出ることでしょう。今後、この動きには十分に注意が必要だと思ってます。もともと米利上げに伴い、サブプライム問題が発生する前から住宅市況の悪化等から個人消費の減速は始まっていましたから、その動きが一段と進むかが注目です。さらに、信用収縮に伴い設備投資資金の減少から製造業の積極投資が失われないかも気になるところです。
■個人消費の減速については具体的には、住宅市況の悪化に伴う経路と雇用悪化に伴う経路の二つが大きく考えられるところでしょうか?そういう意味では、先週末の米雇用統計が大きく上方修正されたことは、とりあえずは一つクリアされたことなのでしょう。ただ、問題なのは、特に住宅市況の悪化は未だ進行中だと言うことです。ケース・シラー住宅価格指数で有名なシラー教授は住宅価格の悪化が重大な危機に繋がる可能性があるとの発言を行っていますし、個人消費への影響はまだまだこれからなのかもしれません。特に年末のクリスマス商戦の動きには注目なのでしょう。
■ただ一方で、住宅価格の悪化が深刻なのは「一部の州だけである」との見方や、利下げに伴う株価上昇によって個人消費は持ちこたえられる等の見方もあるようで、必ずしも総悲観的になっているわけでもないようです。
■信用収縮に伴う設備投資資金の減少については、アジア・中東の非製造業への影響と同様に、当面の大きな危機は遠ざかったと考えられるでしょう。ただ、一度収縮したものがいきなりすぐに復活するとも考えにくいので、何かしら影響を与えるのではないでしょうか?
■ということで、今後注意していかなければいけないところは、米国の住宅市況と個人消費の動向、それからアジア・中東の株式・商品市況の動向といったところでしょうか?あとは米製造業がどれぐらい持ちこたえてくれるかを見定めていくことでしょう。
■因みに、個人的には、今のところ今回のサブプライム問題の影響をあまり深刻視していません。理由としては、一般的に言われている通り、世界経済がアジア・中東中心に堅調であるためです。そして、もう一つは、米製造業が在庫調整・雇用調整をそれなりにこなして筋肉質になっているため、深刻な影響を受けないと考えているためです。この辺りは、よくLTCM危機の時と比べる事が多いようですが、あの時の在庫積み上がり状態とはかなり違うのかなと思っています。
■いずれにせよ、まだまだ進行中の問題だと認識しているので、サックリ判断できる問題ではないのでしょう。十分なマクロ指標分析が重要だと考えています。
人気blogランキングへ| 固定リンク

コメント